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はさみの即興アート


by vividtone

折り紙の便り

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イロイロと終わって(いや、すでに始まっているのだが)少しだけ、自分に戻りました。


今日はお店の片付けをしていたら、ガラスドアを叩く音がした。
黄色い帽子の赤いランドセルの子が立ってた。


黄色い帽子は小学一年生。
ドアを開けると彼女は私を見上げて

「この間は、ありがとうございました。好きなの選んでいいよ」

と、折り紙が入った箱を差し出した。

「この間」の記憶がなくて、うーむって顔をした私を、女の子は何色の折り紙にしようか…と、悩んでいる様に見えたらしい。

「赤とピンクがオススメだよ」

女の子は私に折り紙を手渡すと、礼儀正しく一礼して小さく駆けていった。

ちょっと先で、よく日焼けした黄色い帽子の男の子が待ってて、女の子が追いつくと鈴の音みたいにころころ駆けていなくなった。

ちょっとした白昼夢みたいだった。
手の中の折り紙。

少しだけ折り目が入ってたから、使うか迷ったのかも。

笑みがこぼれる。

宝物くれたのね。

こういう小さな可愛らしい事が、私の身に起きてくれてありがとう。


いつからだろう、子供を可愛らしいと思えるようになったのは。


彼らの世界を懐かしんだり、ビー玉の様に透かし見て羨んでみたり、大事にしまいこんだり。

彼らの秘密を無理に知ろうとは思わない。

でも、守ってあげたくなる。

私はもう
大人になったのだ、と知った。


27歳を迎える残暑の午後の出来事でした。
by vividtone | 2010-09-04 02:28