折り紙の便り
2010年 09月 04日
イロイロと終わって(いや、すでに始まっているのだが)少しだけ、自分に戻りました。
今日はお店の片付けをしていたら、ガラスドアを叩く音がした。
黄色い帽子の赤いランドセルの子が立ってた。
黄色い帽子は小学一年生。
ドアを開けると彼女は私を見上げて
「この間は、ありがとうございました。好きなの選んでいいよ」
と、折り紙が入った箱を差し出した。
「この間」の記憶がなくて、うーむって顔をした私を、女の子は何色の折り紙にしようか…と、悩んでいる様に見えたらしい。
「赤とピンクがオススメだよ」
女の子は私に折り紙を手渡すと、礼儀正しく一礼して小さく駆けていった。
ちょっと先で、よく日焼けした黄色い帽子の男の子が待ってて、女の子が追いつくと鈴の音みたいにころころ駆けていなくなった。
ちょっとした白昼夢みたいだった。
手の中の折り紙。
少しだけ折り目が入ってたから、使うか迷ったのかも。
笑みがこぼれる。
宝物くれたのね。
こういう小さな可愛らしい事が、私の身に起きてくれてありがとう。
いつからだろう、子供を可愛らしいと思えるようになったのは。
彼らの世界を懐かしんだり、ビー玉の様に透かし見て羨んでみたり、大事にしまいこんだり。
彼らの秘密を無理に知ろうとは思わない。
でも、守ってあげたくなる。
私はもう
大人になったのだ、と知った。
27歳を迎える残暑の午後の出来事でした。
by vividtone
| 2010-09-04 02:28