光と影
2014年 12月 19日
寒いですね。
大好きなみなさんが、どうか笑顔で過ごしていますように。
幼い頃に年に一度あるかないか、東京の従姉妹のところへ行くとき、夜の車の窓から見た光景を忘れられない。
見慣れないこうそうビルや、マンションに灯されたたくさんに並ぶ光を見て、あの光の下に数えきれないほどの生活があるのだと考えて不思議な気持ちになった。
誰かが誰かを待っていたり、誰かと食卓を囲んだり、みんな一人一人の主人公の生活がその光の下にある、数え切れないほどに。
それは、幼い私にとって、言葉に表し難く脅威だった。
初めて感じた切ないという気持ちだったかもしれない。
たくさんの人を想うとき、孤独になる。
大好きな人を想うときも、どうしてか寂しかった。
大人になった今も、たくさんの灯りの下にある生活を想う。
東京に住んでいたときの、電車の中から見た新しいビル古いビルの灯りも、いま寒空の下に見つけた灯りも、子どものころ見た灯りも。
ささいな喜びや、苦しみ、悲しみ、を抱えて明日を迎えるために毎日を越えていく、たくさんの生活があり、そこにいのちがある。
いつも、いつも、そのことを想うとき、人間は孤独でそれでも、そのたくさんの灯りの中から自分の灯りに帰りたいと思って、一歩踏み出していくんだ。
とても今日を乗り越えられないと思うときもある。それでも、耐えていくと、一日は何とか終わりを告げる。今日も私は変わらずに、行きぬいた。そんな日を繰り返して、少しづつ私の帰りたい場所はできていくのかもしれない。
夜明けの町の光と影。
by vividtone
| 2014-12-19 00:06