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はさみの即興アート


by vividtone

賑やかな街と心の記憶

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私の幼少の記憶
夜、ひいおばあちゃんが台所で鰹節を削る音、近くにある五葉館さんのお姉さんが遊びに来てくれて夜な夜な紙吹雪を作り遊んだこと。クリスマスが近づくと必ず思い出します。
華やかなイベントが近づけば近づくほど、この質素な暮らしぶりを思い出します。

修善寺の温泉場は大変賑やかで、そこらじゅうから下駄の音やカラオケの曲が聴こえる毎晩でした。

私の家は年中無休で、朝まで仕事をしていたので、ひいおばあちゃんと一緒に過ごしていたのでした。

ひいおばあちゃんは、着物に高枕で寝るようなしゃんとした人で、私とお姉さんがどんなに紙くずで部屋をいっぱいにしようとも、何も言わず遊ばしてくれる優しい人でした。

歯磨き粉はイチゴ味で、小さな電球の下ひいおばあちゃんと二人で歯を磨き、冷たい床に就きました。
私にとって、このひいおばあちゃんと過ごす少し寂しい夜は、今の絵につながる昭和っぽさなのかもしれません。

無口に二人でコタツに入り、水戸黄門を見ていたことをよく覚えています。お絵描きをしたり、何をして遊ぶのも、とても静かで柱時計だけがカチカチと音を鳴らしていて、イヤフォンからは音が漏れていました。

私は小学生になっても、学校帰りにひいおばあちゃんの家に寄り、お笑い漫画道場や鬼太郎を見たり、学校の宿題をして過ごしました。

今は、夜空を見上げては、おいおい、、気づいたらもう31になったよ、、と呟いては
クリスマス前の賑やかな街並みを通り過ぎて自分は急いで仕事を完成させなくては、とクリスマスを楽しむ気持ちはいつからかなくなってます。

今日、お世話になっている小学校に挨拶に行ったときに、大好きな先生に折り紙でできたクリスマスのリースのを頂き、心のろうそくに火が灯りました。
嬉しい。
自分はいつからクリスマスのわくわくを心にしまいこんで出せなくなっていたのだろう。

折り紙のリースが私に充分すぎる程の、あたたかな灯火をくれて、大切な人たちの笑顔が浮かびました。
どうかあなたがさみしいときには、ろうそくに火が灯りますよう、願っています。


私が昨年、出会った可愛いシスターのフミさんのことも思い出しました。
あんなにやわらかで温かい方に、私もなりたいな。
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by vividtone | 2014-12-23 00:56